【要約】「FIRE」トークセッション(後編)
「空き家問題」がFIRE実現の鍵になるかも?
佐藤:では後半ですね。「FPがFIREを斬る!」的な視点で語ろうかと思ってたのですが、、前半で結構言っちゃってますね(笑)
小林:今までは「FIREのために如何にして資産を増やすか、収入を増やすか」という話でしたけど、FPのアドバイスって大体は「支出を見直しましょう」のほうですよね。
そもそも資産運用のためのお金をどうやって捻出するのかというと、大体は支出を抑えて浮いた分で運用する、という話になると思います。
ただ、、地方はそもそも支出が少ない、特に住環境のコストは都会に比べると圧倒的に低い。あちこちに空き家があって、タダ同然で借りて住んでる人がいるんだから。
FIRE実現しても質素な生活でいいんであれば、十分にお金貯まるの待たずに地方に来ちゃえばいいんじゃないの?て思うんですけどね。
食べものなんてあちこちから回ってきますから。今年何度もタケノコ食べましたけどみんな貰いものでした(笑)
一筋縄ではいかない「空き家問題」
細井:空き家は多いんですけど・・・手放せない、という人が多いんですよね。
小林:そもそも欲しがる人がいないと・・・
細井:そもそも空き家を売るにせよ貸すにせよ動かないといけないんですけど、それをしない人が多いんですよ。
小林:「この家には思い出が詰まってるから・・・」ということですか?
細井:いますいます。だから売るのではなく貸してみては?と言うんですが、同意するまでは早くて半年(苦笑)
で、借りる人の好きなようにしてくださいと言ってます。
国土交通省に「DIY賃貸借のすすめ」というガイドラインがあって、それに沿う形で貸してます。
(ご参考)
https://www.mlit.go.jp/common/001127624.pdf
小林:住まない年数が長くなればなるほど、住むのも貸すのも困難になるのでは?
細井:日本の不動産は時間が経てば必ず高く売れる、と思ってる人が今でも多いんですよね。
1年2年というスパンではなくて、何十年というスパンで時代が変われば売れると思ってる。今は不便かもしれないけど待ってればインフラが整備されて・・・と今でも思っている。
佐藤:「タダでもいいから住んでほしい」というのは初耳ですね。
小林:家主だけでなく、自治体ぐるみで若い人に来てほしいと思ってますよ。
佐藤:お金なくても、地方行くだけで「セミFIRE」的なものは実現できるんじゃないですか?
細井:そうですよー。インターネットで地方でも色々仕事出来る時代なんですし。
小林:「仕事ない」てよく言われるんですけど、実際には地方の多くの会社は求人出しても全然人が募集してこないんですよね。一部の大企業除いて。なにせ若い子がいないんですから。
給与が安いから、と言われると見も蓋もないんですけど、生活費がそんなにかからないんですから、そういう生き方もあるんじゃないかと思うんですけどね。
細井:FIREである程度資産作った人ってのは、給与の高い安いよりも仕事のやりがいを求めている人が多いと思いますので、地方でそういう受け皿があれば、、と思うんですけどね。
FIREを目指す=早期退職、だけではない
佐藤:「金持ち父さん 貧乏父さん」で早期退職がブームになった頃もあるけど、お金を増やさなくてもFIREを目指すことで得られるものはあるんじゃないか?て思うんですよね。
小林:私は今50なんですけど、FIRE目指してる若い人に言いたいのは、若いうちに我慢してお金貯めて早期退職したとしても、その頃にはお金があっても、若い頃と同じような満足感が得られるような生活ができるとは限らないということなんですよね。
身体は動かなくなるし、モテなくなるし、そもそも欲望というのは年重ねるごとに減退するんですから。やりたいことがあるんならすぐやるべきですよ。
細井:やりたいことやって、お金稼いで、早期退職して・・・
鳥谷:それが一番いいですよね
細井:そうやって成功している人もいるんですから。
細井:ひと口にFIREといっても、「早期退職いいよね」だけでなく、奥が深いですよね。
小林:仕事辛いから、仕事やめたら幸せになれるかというと、それはまた別の問題のような気がしますね。
細井:冒頭にも出たけど、、、仕事辞める理由というのは大体人間関係なんですよね。
でも仕事辞めちゃうと、逆に人と関わること自体が無くなってしまう訳ですから。
仕事やめる、だけじゃなくて、良好な人間関係をいかに作ってFIREするか、じゃないんですかね?コロナでオンラインが当たり前になって人との付き合い方も変わったと思いますよ。今や世界にも人間関係広げられる時代ですよ。
小林:資産運用も大事だけど、ちょっと副業してみたりとか、フリーランスになる準備してみるというのも大事なのでは?自営業は自由がききますよ。私は今日も昼寝してました(笑)そのかわり週末とか夜とかでも仕事は入りますけど、まあ有難いといつも思ってます。
H: 昔と比べると資産運用、副業、起業と選択肢は増えてますし、住む場所も若い人来てくださいという自治体に住むという手もあるんだし、その人のアイデアや才覚で生き方が変えられる時代ですよね。
佐藤:良くも悪くもオーダーメイドな生き方ができる時代ですよね。それが楽しくもあり辛くもあるわけですが。
FIRE実現のために、FPは何ができるか
小林:自分ひとりの力でなんとかしようとするとしんどいと思うのですが、FPみたいな立場で支出の見直しとか、お金の知識をアドバイスするような存在がもっと増えれば、そういう生き方も実現しやすくなるんじゃないかと思うんですけどね。
鳥谷:素朴な疑問ですけど、FIRE目指したいって相談しに来る人が来たら、みなさんならどんなアドバイスをされますか?
小林:私なら・・・FPとしての定石ですけど、夢の内容を聞いて、ライフプランシュミレーションを作ることで、お金という切り口で、相談しに来た人の夢の設計図を作りますね。
一般論を語ってるうちは前進しないと思うんですよ。
細井:どうアドバイスするのかは、相談しに来る方の年齢にもよるんですよね。
50で早期退職考えてる人と、65できっちり辞める人とでは、アドバイスの内容は全然違う。
FIREを真剣に考えてる人は全然違うでしょうし。
H: FIREって一歩間違えると、ギャンブルみたいな資産運用してお金失いかねないんですよね。米国と違って日本では学校でお金の教育を全然してないから特にリスクが高い。だからお金の幅広い知識を教えるのもFPのミッションだと思いますね。FPというのはFIREの入口として良いのではないかと思います。
佐藤:5月って仮想通貨暴落して、ビットコインは1カ月で40%下がった訳で、インフルエンサーと言われる人たちが大損してて「投資って怖い」って思った人も多いと思いますので、そうならないようにFPって頑張らないといけないと思うんですよね。
小林:怖いのは事実なんですが・・・でも今はコロナのせいもあって、各国が金融緩和しまくってる訳で、そうなるとモノの値段が上がって、現金で資産を持つことも一つのリスクな訳で、そういうことも教えていかないと。
細井:鳥谷さんの世代はどうなんですか?投資についての考え方は。
鳥谷:人によると思います。パチンコとか競馬競輪好きな人たちは仮想通貨とかFXとかに手を出してるし、堅実な人たちは投機と投資の違いをわかってて、堅実に積立NISA,投資信託・・という感じですね。
学校でもお金の教育が始まる訳で、これから投資やろうという人は増えると思いますし、資産運用やる人とやらない人とでは格差がますます拡大するだろうから、これからやらざるを得ない時代になると思います。
FIRE実現のために不可欠な「金銭教育」
H: 資産運用は一歩間違えれば大損になりますからね。宝くじとかパチンコとかギャンブルの仕組みを知らないといけない。一方で今みたいな金融緩和したらモノの価値は上がる訳で、そういうお金が株とかに流れてる。
ただ、例えばビットコインなんかは総合課税でモロに税金がかかるわけだけど、確定拠出年金やNISAだと税金面での優遇もある。そういったことを教えていかないと。
佐藤:Kさんは会社内でお金の教育とかはされてるんですか?
K:基本的には支出を減らして家計改善、ですね。確定拠出年金の説明をする時に、非課税ということを前面に出してますが、リスクとリターンの説明は義務付けられてるので、そこは会社の責任としてやってます。
佐藤:個人的な意見ですけど、お金の教育って半ば強制的でないと身につかないと思います。自分からFP相談しに来る人もいますけど、それは金銭リテラシーというか意識の高い方々ですよ。むしろ問題なのはそういうとこに全然来ない人たち、特に会社員ですね。
(一同うなずく)
FIRE実現のために、FPは具体的な設計図を作ることができる
細井:FIREって単に早期退職だけでなく、奥が深いですよね。
K:FIREの目指し方って人それぞれですよね。さっき小林さんが言及した通り、ライフプラン表作ることで「お金の見える化」をして、FPが一緒に考えていくことが大事だと思いますね。
あと、さっき7500万円という数字が出たわけですけど、7500万円あれば毎年300万円を25年間取り崩せるわけですよね。そして65歳以降なら年金が出るわけですから、実際に必要な金額はもっと少ないんですよね。
そしてそれは人によっても違うし、何歳の時点でFIRE目指すのかも違う。不動産があるのならそれを活用するという方法もある。何歳の時点でいくら貯めればいいのかを逆算して、FIRE実現のためのストーリーを一緒に考えていく・・・ということになるのかなと思いました。
細井:そろそろ時間ですけど、、、話始めると終わんないですよね(笑)
次回以降も、FIRE実現のためのテーマを決めてやっていきたいですね。
小林:私としては是非地方移住をテーマに(笑)
H:ライフプランシュミレーションソフト使って、実現のためのシナリオを具体的に描いていくというのはどうでしょうか?
一同:いいですね!
■次回は、7/16(金)20時~に開催予定です。
投稿者プロフィール
- 地方移住支援ファイナンシャル・プランナー、小林 恵(こばやし けい)です!
2012年に東京から福井にUターンしました!地方移住に伴うお金の不安、空き家活用など、お手伝いさせていただきます!
大野市で空き家を活用した民泊の宿「ねこばやし」を運営しています!
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