【地方移住ブログ その4】地方で実現する新しい生き方<副業・複業②>
※今まで「副業」という言葉を使っていましたが、東京から長野に移住された方が「複業」という表現を使い、自ら実践されているので、今後は「副業・複業」という表現にします。
ここまでの要約
前回:【地方移住ブログ その3】地方で実現する新しい生き方<副業①>
・このブログの筆者・小林は20年以上首都圏/関西で生活して2012年に福井にUターンしたが、都会と地方の差は縮まっていると実感している
・一方で、地方の人口減少は深刻な問題
・そして、60歳で定年・以後は老後・・・という生き方は今後難しい。早い時期から副業・複業を行い、70歳まで収入を維持する生き方を考えるべき。
副業・複業には都会よりも地方のほうがメリットがある
「副業・複業」といっても色々なものがあります。中には都会でないと出来ないものもあるでしょう。
しかし、基本的には地方のほうが向いていると思うのです。具体的に解説していきたいと思います。
メリットその① 通勤時間が短い
副業・複業に必要なものは何か?
①顧客(仕事をくれる人)
②スキル
➂時間
①については仕事の内容によりけりだと思います。多くの場合、自分が今持っている人間関係を活用するか、ネットなどで開拓していくかということになると思います。
都会に住んでいて、既に豊富な人脈を持っているのであれば顧客と仕事探しも出来るでしょう。しかし多くの人にとってはそうでもないでしょうし、【地方移住ブログ その2】地方で実現する新しい生き方<人脈づくり>で書いた通り、地方のほうが密な人間関係を構築できます。都会の良いところとして「しがらみが無い」点が挙げられることが多いのですが、それはメリットでもありデメリットでもあるのです。
②の「スキル」につきましても、今すぐお金が稼げるスキルがあれば場所は問わないでしょう。しかし、実際には今の職場に行ってすぐにまとまったお金が稼げる人はそう多くないでしょう。資格を取得したり経験を積んだりするには時間が必要です。また、ネットで情報が溢れている時代でも自分に合った仕事を見つけるのは簡単ではありません。多くの人にとって➂の「時間」が必要となります。
都会に住んでいる場合、東京だと山手線の南側といった具合に、職場は都心部に集中しています。家を買うにせよ借りるにせよ、都心部では相当なコストが必要になるので、どうしても通勤時間が長くなります。私も東京で会社勤めをしていた頃は片道約1時間半かけて通勤していました。1日だと約3時間、本を読んだりスマホで情報収集くらいはできるかもしれませんが、基本的には無駄な時間です。
今はフルリモートでオフィスに行く必要は無いという人もいるでしょうが、そもそもそういう人というのは都会に住まなければいけないという必要は無いでしょう。都会とその周辺部に関係無く、自分が住みたい場所に住めばいいと思います。
メリットその② 車社会
副業・複業にもいろいろありますが、基本的には個人がお金を調達するのは簡単ではありません。そもそも【地方移住ブログ その3】地方で実現する新しい生き方<副業①>で書いた通り、副業・複業というのはすぐに儲かるものではありません。
少なくとも最初のうちは、自分で出来ることは自分でやる覚悟が必要です。その場合、車を使えるか:車を持っているだけでなくどこでも車で行けるか、というのがかなり大きいです。
自分も福井県大野市で民泊の宿を運営していますが、開業準備は基本的に自分で行いました。(途中から地元の人が協力してくれました。)ホームセンターなどで必要なものを買い、宿に運びました。車が無かったらまず無理でしょう。
副業・複業の種類にもよりますが、車を持っていることで幅が広がります。
因みに私が住んでいる福井県では人手不足が深刻な業種が少なくなく、タクシー業界では副業での就業も歓迎と公言しています。車に乗り慣れているという事自体、メリットになる場合があります。
北陸新幹線開業前の福井県、タクシー運転手の人材不足深刻 業界説明会で訴え「車はあるが人がいない」
メリットその➂ 副業・複業に対する意識が緩い
政府は「働き方改革」の一環として、企業も働いている人も安心して副業・兼業に取り組むことができるよう、環境整備を行っています。しかし会社によっては、副業を認めていなかったり、表向きは認めていてもいい顔をしない会社は少なくないと思います。
都会には規模の大きな会社が多く、社員に対する統制が厳しいというのもあるでしょう。
私は都会と福井両方で仕事をしてきましたが、明らかに後者のほうが副業・・・という以前に仕事とプライベートの境界が曖昧なところがあると思います(あくまでも自分の主観ですが)。地域や学校などの集まりがあったらそちらを優先する場合が結構ありますし、会社の会議室を使ったりコピー機などの設備を使っているのを見て、自分が東京で勤めていた会社だったら絶対に問題になると思いました。
思うのですが、兼業農家をされていたり、地域の消防団に加入されたりしている方が少なくなく、地域を維持するにはそういった活動が必要という考えがあり、会社が絶対という意識が都会に比べると薄いのではないかと思います。(それが「地域のしがらみ」と表現されることもあるのですが・・)
「都会でないと出来ない仕事」とは?
都会に大企業が集中したのには理由があります。
昭和の時代には、電話と紙とソロバンで仕事をしていたので、社員が同じ場所で仕事をせざるを得ませんでした。(電話も昭和の中頃までは十分に普及せず、郵便と電報が有力なコミュニケーション手段でした。)車社会になるまでは電車とバスが移動手段で、特急券は簡単には入手できなかったそうです。
部署に1つだった電話が1人1台になり、FAXが導入され、今まで手書きだった文章をワープロ→パソコンでやるようになり、インターネット/携帯電話/スマホと、コミュニケーションの手段はどんどん進化しています。しかし会社の組織は昭和の頃とそんなには変わっていません。コミュニケーションの手段相応に組織や仕事のやり方が変われば、都会で仕事をしなければいけない必然性は下がっていくのではないでしょうか?
会社組織以外、例えばマンガの世界では既に一極集中はなくなりつつあります。
昭和の時代には、藤子不二雄A先生描くところの「まんが道」のように、漫画家を志す人たちは殆ど全てが上京しました。マンガを掲載する出版社が東京にあり、そこの編集者と打ち合わせをしたり原稿の受け渡しをしなければいけないからです。先輩漫画家のアシスタントをして生計を立てていた人も少なくありませんでした。
しかし今はマンガの原稿そのものも紙ではなく液晶タブレットを使って執筆する時代です。遠隔地にいるアシスタントともzoomなどを使って打ち合わせしてデータで作業を分担します。
むかしは漫画家デビューするためには原稿を出版社に持ち込んだりしていましたが、今は出版社が主催する漫画賞に応募する方法もありますし、pixivなどのSNSで自分の作品を配信して、イイネがたくさんついたら編集者が声をかける・・・という場合もあります。年に2回、お盆と年末に東京の有明で「コミックマーケット」というイベントが行われ、その時だけ上京するという人もいるようです。
そもそもマンガ雑誌などの媒体を経由せず、Amazonkindleなどの電子ブックで自分でデジタル配信している漫画家も出てきています。
【民泊ねこばやしのブログ】北海道の奥地からマンガを配信している「はた万次郎」の話
これからは、「直接顔を合わせて仕事が出来る場所」よりも、「その仕事に最適な場所」「生活コストの安い場所」そして「自分が住みたい場所」で仕事をする時代になるのではないでしょうか。
投稿者プロフィール
- 地方移住支援ファイナンシャル・プランナー、小林 恵(こばやし けい)です!
2012年に東京から福井にUターンしました!地方移住に伴うお金の不安、空き家活用など、お手伝いさせていただきます!
大野市で空き家を活用した民泊の宿「ねこばやし」を運営しています!
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