大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を考える(その1)

※今回は、NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のストーリーに関する内容が含まれております(=ネタバレがあります。)また、いつもの投稿のようなファイナンシャル・プランニングとかお金に関する話とは全然関係ありませんのでご了承ください。

大河ドラマ61作目は、源平合戦の話

1963年「花の生涯」で始まったNHKの大河ドラマも、今年で61作目です。

https://www2.nhk.or.jp/archives/search/special/detail/?d=taiga000

私は51歳になりますが、記憶にある一番古い大河ドラマが1979年の「草燃える」で、やはり源平合戦の時代だったので感慨深いものがあります。源頼朝が石橋山の合戦で洞窟に潜んでいるところを梶原景時に見つかるが見逃される場面を今でも覚えています。

ただ、大河ドラマも毎回見ているわけではありません。どちらかというと見ていないものの方が多い。

例えば・・階級闘争史観というか「権力者は倒されて当然だ」とか、善悪二元論と言うか善玉役と悪玉役にはっきりと分かれるみたいな単純な描かれ方をしているようなものだと見るのをやめます。日曜日の夜に45分割いてまで見る価値はありません。

今回に関しては、時代が鎌倉時代だったのと(大河ドラマは戦国時代か幕末が多い)、脚本が2016年「真田丸」の三谷幸喜さんだったということで放送前から注目していました。

だいたい鎌倉時代というか源平合戦の話というのは「源義経が兄の頼朝に殺される悲劇」というパターンが多いというかそればかりです。かの司馬遼太郎の「義経」もそうでした。敢えてそのパターンを破ったものといえば、手塚治虫の「火の鳥 乱世編」でしょうか。今回は源頼朝役に冷酷さとは縁遠そうな大泉洋を当てている時点で、今までとは違うことを期待させてくれます。

60分中、半分以上は北条時政の屋敷が舞台

※ここからネタバレが加速しますのでご注意ください。

さて、大河ドラマというのは通常は45分ですが、初回は60分枠になります。

その中で、半分以上は主人公・北条義時の父親である北条時政の屋敷が舞台でした。

(あらすじはこちらをご参照ください)

https://www.nhk.or.jp/kamakura13/story/01.html

大河ドラマには視聴者を楽しませるだけでなく、町おこしというミッションもありますので、むしろ登場人物たちをあちこちに出没させたほうが目的にかなうと思うのですが・・・こうやって敢えて1つの場所で話を進めているのは、何か意図があるのではないかと思いました。何というか、舞台劇みたいな印象を受けます。

主要キャラが13人は多過ぎる

あと、初回から登場人物がやたらと多いですね。その都度「義時の姉 政子」にみたいに字幕が入るのですが、これが歴史もので以前から知っている人間のことでなければ覚えられません。だいたいタイトルが「鎌倉殿の13人」なのだから、主要な登場人物だけでも13人いることになります。多過ぎます。

だいたい、ドラマのメインキャラというのは5人までが適正人数です。

他にも登場人物を出すのであれば、脇役的な扱いにすべきなのでしょう。13人もいてはまとまりがつきません。

連続ドラマというのは、毎回毎回主人公が中心になるわけではなく、主要キャラにフォーカスした回が1度はあるものです。いくら50回あるといっても、13回もやるわけにはいかないでしょう。

真のメインキャラはこの5人

三谷幸喜、どうやって収集をつけるのだろうと思ってましたが、、この場面を見て合点がいきました。

右から、主人公の北条義時、その兄の北条宗時、姉の北条政子、妹の実衣。

この4人の子を前に、父親である北条時政が新しい妻である「りく」を娶る話をしている場面です。

https://www.nhk.or.jp/kamakura13/cast/02.html

この5人を軸に話を進めればスッキリしますね!

この5人に、義時の主人になる源頼朝や、伊豆で強力な力を持つ祖父の伊東祐親(←あの「伊東に行くならハトヤ」の伊東って、ここからきてるのですね)や、「鎌倉殿の13人」が絡んでいく・・・という展開になるのではないでしょうか。(※あくまでも私の予想ですが)

基本的に北条家のホームドラマ?

というか、今回の話は北条家のホームドラマなのではないかと思うのです。

普通の時代劇であれば、「必ず最後に正義が勝つ」という不変なテーマがありますが、

大河ドラマというのは舞台が過去の日本というドラマであり、テーマは毎回変わると思うのです。

夫婦の愛であったり、友情であったり、立身出世であったり、、

(因みに前回の三谷作品である「真田丸」は、サラリーマンものだったと思います。真田信之と信繁の兄弟がそれぞれ徳川家康と豊臣秀吉に仕え、それぞれ上司や先輩たちと交わっていく物語)

今回はホームドラマ。親子兄弟の絆というよりは「サザエさん」のようにただただ家族内でのやりとりを描いていくものになるのではないかと思います(※あくまでも私の予想ですが)

主人公である北条義時は、今の時点では特に秀でた能力があるわけでも、野望野心があるわけでも、正義感に溢れているわけでもない平均的な人物として描かれています。(今の若い人が共感するようなキャラクターなのではないでしょうか?)個性的な家族の中で右往左往しながら、主人公である北条義時が成長というか変貌していく話。

第一回を見た人はわかると思うのですが・・・このホームドラマを因数分解してラノベのタイトル風にするとこんな感じになると思います。

「田舎者でお人よしの親父は美しすぎる義母のことで頭がいっぱい」

「いつもオレに後始末を押し付けてくるイケイケの兄貴が迷惑なんだが」

「ガサツで強気な姉貴が、京都から来た貴公子に恋に落ちた件」

まあ、時代が変わっても人間のやることなんて大して変わらないものです。(むかし吉川英治の「新平家物語」を読んだときもそう思いました)

まだ始まったばかりですが、楽しみです。

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投稿者プロフィール

福井のファイナンシャル・プランナー 小林 恵福井のファイナンシャル・プランナー
地方移住支援ファイナンシャル・プランナー、小林 恵(こばやし けい)です!
2012年に東京から福井にUターンしました!地方移住に伴うお金の不安、空き家活用など、お手伝いさせていただきます!
大野市で空き家を活用した民泊の宿「ねこばやし」を運営しています!