介護の話。
日本FP協会の継続教育
私は日本FP協会の認定ファイナンシャル・プランナー(AFP)なのですが、資格を取りさえすればこの肩書をずっと名乗れるわけではなく、「継続教育」という研修を定期的に受ける必要があります。
今日は、福井県済生会の介護支援専門員の方を招いて、介護保険制度の話をしていただきました。
40歳以降は介護保険の被保険者
すべての日本国民は健康保険制度に加入している訳ですが・・
40歳以降は更に介護保険の被保険者になります。
65歳未満は「第2号被保険者」で、老化が原因とされる病気(特定疾病)により、介護や支援が必要と認定された方が、
市町村に申請して認定を受けた場合に被保険者証が交付され、支給対象になります。
(特定疾病の一覧)
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo3.html
末期がんや関節リウマチなども対象になります。
65歳以上の方は「第1号被保険者」となり、65歳に到達する月に被保険者証が交付されます。
保険料と同じ額が公費から捻出されている
たまたまですが、、今日の福井新聞に介護保険料が上がり続けているという記事が載っていました。
被保険者の方が負担する介護保険料が平均6,000円で、介護保険制度が出来てこの20年で倍増したというものです。
ただ、、、健康保険制度もそうですし、年金制度(基礎年金)もそうなのですが、被保険者が負担する保険料と、利用者が窓口で負担する自己負担分(1~3割)だけでなく、介護に必要な費用は公費(税金)からも出ているのです。
介護保険の場合は、保険料と同じ金額が国と県と市町村から出ているのです。
言い換えると、被保険者以外の人も間接的に介護費用を負担しているとも言えます。
介護保険制度が出来る前は・・
前述の通り、介護保険制度が出来たのは20年ほど前、2000年なのですが、その前はどうしていたのでしょうか?
今ほど寿命が長くなく、高齢者が少なかったというのもあるのですが・・・
どうしていたかというと、多くの場合は家で家族の人が介護していたのではないかと思います。私も介護保険が出来た時のことを少し覚えていますが、「家で奥さんや嫁が介護するのがあるべき姿だ!そんな制度は美しい家族制度を解体するだけだ!」と言って反対した議員さんがいたのを覚えています。
そして家で介護出来ない場合には、医療機関介護を目的とした「社会的入院」を長期間していたということです。
その場合、医療費という形で結局お金はかかりますし、病気やケガをした人と同じ扱いになるので、必ずしも利用する人が望ましい形にはなりません。
介護保険制度が出来た背景は、家族や医療機関の負担を下げるというのもありますが、
利用者の選択により、多様な主体から保険医療サービス、福祉サービスを総合的に受けられるようにするというのもあるのです。
訪問介護サービス、デイサービス、ショートステイ、施設入所など、色々ある仕組みの中から、経済状況や介護を受ける人の意思に基づいて、介護支援専門員(ケアマネージャー)がケアプラン(介護サービス計画書)を作成するというのが今の介護の状況です。
自立を支援する、という考え方
たとえば介護施設にも色々あります。
短期入所して入浴・排泄などの介護や機能訓練を受けられるショートステイや、
常時介護が必要で、自宅では介護が困難な方が入所する「指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」などがありますが、
「介護老人保健施設」というものがあります。
これは、病状が安定し、リハビリに重点をおいた介護が必要な方を対象としており、医療上のケアやリハビリ、日常生活介護を一体的に提供して、家庭への復帰を支援するというものです。一度要介護状態になったらそれっきり・・・ではないのです。
今日お話しをされていた方からも、高齢者の方が自立して主体的に生きていくことを後押ししていこうという強い気持ちを感じました。介護保険制度が出来てから20年経ちますが、現場の人たちの努力と知恵で進化しているのではないかと思います。
私の感想は・・・
私もFP資格取得の時に色々勉強しましたし、身内が特別養護老人ホームに入所しているのですが・・・それでも断片的なことしか知らなかったなあと改めて思いました。やはり現場の人の話というのは説得力があります。
また、健康保険もそうなのですが、介護サービス費の自己負担分(1~3割)に加え、日常生活費や食費や居住費が別途発生します。実際のところいくらかかるのか?という話も出たのですが、サービスが手厚ければかなりかかるし、そうでなければ自己負担分の範囲内+α程度になるそうです。まあどの分野でも同じですよね。
あと、これから家を建てるような人には将来介護状態になった時のために極力バリアフリー化を勧めようと思います。あとから改修してもある程度は支給されのですが、、
誰だって年をとるのです。
追記:今日の研修資料は「福井市介護保険あんしんガイド」というところから引用していた部分が多かったです。こちらから印刷できます。
https://www.city.fukui.lg.jp/fukusi/kaigo/service/ansinguide_d/fil/R2_anshin_guide.pdf
投稿者プロフィール
- 地方移住支援ファイナンシャル・プランナー、小林 恵(こばやし けい)です!
2012年に東京から福井にUターンしました!地方移住に伴うお金の不安、空き家活用など、お手伝いさせていただきます!
大野市で空き家を活用した民泊の宿「ねこばやし」を運営しています!
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